拝師

拝師という言葉は中国武術の先生紹介などでは良く見かける言葉ですが、では実際にどのようなものかというのは中々知らない方もいらっしゃると思います。

ですので、簡単に拝師という習慣について説明と紹介をさせていただきます。

現在の日本では、師匠について教わっていれば「弟子」ですが、 中国武術の世界では、簡単に「弟子」にはなれません。

老師につい て教わるようになると、まず「学生」と呼ばれます。基本的なことしか教えてくれないとか、熱意や人格を見るために延々と単純な鍛 錬をやらされる、ということもあるようです。

老師が、学生の技量や人格などを認めて、「弟子になるか?」 「はい、お願いします!」ということで、「拝師」の儀式が執り行 われ、晴れて「弟子」または「徒弟」と呼ばれるようになります。弟子になると家族同然の扱いで、学生とは一線を画します。

拝師は 文字通り「師として拝する」ことで、正式な師弟関係を結び、「一 門の武術をきちんと伝えるから継承していけよ」ということでもあります。

拝師の儀式自体は門派によりいろいろなようですが、基本的には 始祖や師爺の肖像画、写真などに供物をし、赤い紙に名前などを書いて供え、三叩頭の後に老師に向かい叩頭する。儀式のあと老師、 師兄弟と宴会となる。というのが一般的ではないでしょうか。

最初の弟子を開門弟子、最後の弟子を関門弟子と言います。

文化大革命や四人組(知らない人も多いんでしょうね)の時代に は、封建的ということでできなかったようですが、開放政策になっ てから復活してきました。ただ、だんだん簡素化されたり、なくなっ てきつつあるようです。